革命前夜の藻塩草

Anthologie à la veille d'une révolution

無題

 過去の愚かしい出来事を,たんに未成熟ゆえの過ちのようにしか思っていないなら,愚かしい出来事はくり返されるだろう.「昔のひとは莫迦だったんだな」と嘲笑して切って捨てるなんて,結果を知っているからできることにすぎない.もし自分が過去の出来事に直面していたなら,現在のひとびとが最善と考えるような判断をはたして下せたか? いまを生きるわれわれがくだすもっとも “合理的” な決断が,未来のひとびとから見て不合理極まりないものでないなどと,いったい誰が言える?