革命前夜の藻塩草

Anthologie à la veille d'une révolution

インタネットを蠢動していることへの自己批判――インタネットを蠢動するおまえたちへ(4)

とある会員制短文投稿サイトを長らくやっていると,頭で考えたことを一瞬で放流してしまう知的不誠実な態度が身についてしまったり,140字という制限のある文章を考えるのに最適化されたかのような短絡的な思考に陥ってしまったり,力強い言葉にたよって繊細な言葉づかいができなくなってしまったりするのではないか,いや,すでにそうなってしまっているのではないかという懸念がある.これは発信者としての側面だけれど,短期的・刹那的・享楽的な物言いがもてはやされるプラットフォームである以上,そうした言説が目に入る頻度も高いわけで,情報の受け手としても,ここにずっと浸っていることのメリットはほとんどデメリットに打ち消されるのではと思うほどであります.まあ,だからといって今というこの瞬間*1やめられるわけでもないけれど,少しずつフェード・アウトしていきたい.いまのところ最盛期よりは利用時間は減っているけれども.そうそう,利用時間といえば,自分の時間がいつのまにかけっこう吸い取られるという問題は大きい.もちろんプラットフォームの傾向に関連していえば,利用者が気持ちよくなるような言説をピックアップし,ポジティヴ/ネガティヴの別にかかわらず,とにかく感情を誘起させたり,関心の矛先を提示しつづけたりするような「企業努力」あってのことではあろう.それに批判的であろうと,あるいは利用者としての自分の問題に自覚的であろうと,利用しつづけることそれじたい,例の会員制短文投稿サイトを肯定する意味をもたざるをえない.最終的には,会員制短文投稿サイトやめましょうといういつもの結論に落ち着くのはいうまでもない.この文章は,会員制短文投稿サイトを脱却してちょっとは140字を超える文章を書いたらどうだねキャンペーンの援助のもと書かれました.